日本は、国土の7割弱が森林です。世界でも有数の森林国なのですが、内容のよい森林はというと、ほとんど残っていません。日本の森林の約8割は、圧倒的に、手入れを必要としています。材を全面的に伐り出した跡地や、笹原、カヤ原などには、植樹をして下草刈りを行わなければなりません。また、伐採後、数十年も放置されたままの広葉樹二次林や、植えられた後に手入れがされないままとなっているスギ・ヒノキの人工林も、除間伐を適度に行う事が大切です。
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光合成によって、きれいな空気に
植物は、光合成という作用によって、二酸化炭素と水から、酸素と養分を作り出します。この過程で、地球温暖化を防止するために必要な、「空気中の二酸化炭素の固定=吸収」を行っています。
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きれいな水を生み出し、多様な生き物たちが集まる
また、落葉広葉樹林は、毎年、大量に葉を落とし、それを微生物が分解する、という過程で、土を肥やしていきます。さらに、その腐葉土に集まった小さな生き物が、土壌に無数の空間を作り、森の保水能力を高め、栄養分豊富な水を生み出していきます。
また、木の実や樹液が豊富なため、昆虫が集まり、鳥や小動物の餌となり、さらにそれを食べる動物たちの生息圏を確保します。
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植物も多様なことが大切
ただ、間違えてはいけないことは、広葉樹だけが必要なのではなく、針葉樹とのバランスが大切、ということです。手入れされていないスギ・ヒノキ林を除間伐し、その間に、ドングリなどの木を植え、針葉樹と広葉樹が混じり合った針広混合林を造っていくことも今後の大きな目標です。
東京都や飛騨清見にある苗畑では、ドングリから芽を出した幼樹が元気に育っています。夏には定期的に水撒きや草刈りを行い、数年後に山へ植樹できる大きさになるまで育てます。
森は植えるだけでは育ちません。苗木が草の勢いに負けないようにその周りを刈り、下草の背丈を越すほどに生長するまで手入れをしながら育林を行います。
毎年春から初夏にかけて、苗畑や皆さんのもとで大きくなった苗木を山へ植樹します。動物に食べられたり枯れてしまったところには、新たに苗木を植える補植作業も行い、森づくりを確実に進めています。
秋には森に入り、ドングリを拾い集めます。こうして拾ったドングリを苗畑で育苗していきます。また、会員の皆さんにも育てて頂きます。
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